フロアコーティングの失敗談から学ぶ
【更新日:
- 更新日:
マンションを美しい状態に保つため、フロアコーティングを検討している方は多いはず。このページでは、フロアコーディングの歴史(誕生した経緯やコーティング技術の変遷など)を紹介しています。さらに、施工前に押さえておきたいポイントも解説しています。検討中の方は参考にしてください。
フロアコーティングの歴史と変遷
最初に、フロアコーティングが誕生した背景と技術の変遷を説明します。
フロアコーティングが誕生した経緯
1950年代~1960年代にかけて、日本の住宅事情は大きく変化します。プレハブ住宅メーカーが増加したからです。この変化を受けて、室内に占める畳の面積は減少します。代わりに増えたのが木製の床。つまり、フローリングです。
1950年代は、床を美しく保つため油性ワックスを使用していました。60年代に入ると、より施工性が高く、仕上がりも良い水性ワックスが人気になります。水性ワックスのデメリットは耐久性が低いこと。すぐにとれてしまうので、定期的なメンテナンスが必要でした。この点は、水性ワックスのあとに登場する樹脂系ワックスでも大きく向上しなかったとされています。
1990年代に入ると、耐久性に優れるフロアコーティングが登場します。フロアコーティングは、水性ワックスや樹脂系ワックスのデメリットを解消するため開発されたといえるでしょう。
コーティング技術やコーティング剤の変遷
フロアコーティングが登場したころに主流となったのが油性系のウレタンコーティングです。画期的な技術でしたが、シックハウス症候群の原因のひとつといわれるVOC(揮発性有機化合物)を含む問題を抱えていました。この問題を解消したのが、水性系のウレタンコーティングです。水性系のウレタンコーティングが登場したことで、安心・安全にフロアコーティングを行なえるようになります。
続いて登場したのが、油性のシリコンコーティングです。さらに、紫外線を照射して塗膜を硬化させるUVコーティングも登場します。仕上がりや施工性に優れるコーティング剤ですが、シリコンコーティング・UVコーティングには経年により擦り跡が白くなる問題が見つかります。
この問題点を解消できるコーティング剤として登場したのがガラスコーティングです。ガラスコーティングの特徴は、硬度が高いので傷がつきにくいこと。時間が経過してもフロアを美しい状態に保てます。現在では、同じガラスコーティングでもナノ技術を用いてさらに進歩したナノガラスコーティングが用いられています。ナノガラスコーティングは、床暖房などによる木材の伸縮や強い衝撃などにも対応できるコーティング剤です。現在も、コーティング剤の改良は進んでいます。
フロアコーティングはどれくらい浸透しているのか
フロアコーティングを行なえば、フローリングを美しい状態に保ちやすくなります。フロアコーティングはどれくらい浸透しているのでしょうか。
残念ながら、フロアコーティングの普及率に関する公的なデータは見当たりませんでした。施工業者の肌感覚では、住宅を購入する人の15%~20%程度がフロアコーティングを行なっているといわれています。
購入した住宅を大切に扱いたいなど、こだわりを持っている方が利用しているサービスといえるかもしれません。
フロアコーティングを決める際のポイント
フロアコーティングの施工で悩んでいる方は、メリットを押さえた上で検討を進めると良いでしょう。フロアコーティングには、次のメリットがあります。
- 掃除が楽になる
- 床が傷つきにくくなる
- 綺麗な状態を維持できる
掃除が楽になる理由は、床に汚れが付きにくくなるから。油汚れなどが付きにくくなるので、拭き掃除の手間を省けます。
床が傷つきにくくなる理由と綺麗な状態を維持できる理由は、高硬度の塗膜で床を覆うからです。フローリングを美しい状態に保ちやすくなります。
フロアコーティングにより、生活の利便性は大きく向上します。この点に魅力を感じる方は、積極的に検討を進めると良いでしょう。