フロアコーティング費用は経費計上できる?
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床の美観性を高めるために施工したフロアコーティング。メンテナンスとは目的が少し違ってくるので必要経費として計上してよいものか悩んでしまう人もいるのではないでしょうか。フロアコーティングの経費計上の仕訳や注意点について詳しく解説していきます。
経費計上できる対象
事業所得、不動産所得及び雑所得の金額を計算する上で、必要経費に算入できる金額は、次の金額です。
(1) 総収入金額に対応する売上原価その他の総収入金額を得るために直接要した費用の額
(2) その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額
必要経費となる金額は、その年において債務の確定した金額(債務の確定によらない減価償却費などの費用もあります。)です。
引用元:No.2210 やさしい必要経費の知識|所得税|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2210.htm
フロアコーティングを施した場所が事業所であるなら、事業所は売上原価、その他の総収入金額を得るために必要となる場所であることから、必要経費として計上することができます。
また必要経費として計上できる金額は、その年において債務の確定した金額に限られています。例えば12月に施工したフロアコーティングの支払いを、翌年の1月におこなった場合は、債務が確定していないためその年の経費として計上することはできません。
フロアコーティングが該当する仕訳項目
フロアコーティングが該当する仕訳項目は「修繕費」もしくは数年にわけて計上していく減価償却法の「資本的支出」の2種類となります。
修繕費
一の修理、改良等のために要した費用の額のうちに資本的支出であるか修繕費であるかが明らかでない金額がある場合において、その金額が次のいずれかに該当するときは、修繕費として損金経理をすることができるものとする。
(1) その金額が60万円に満たない場合
(2) その金額がその修理、改良等に係る固定資産の前期末における取得価額のおおむね10%相当額以下である場合
引用元:第8節 資本的支出と修繕費|国税庁
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/07/07_08.htm
フロアコーティングの施工は「一の修理、改良等のために要した費用」となり、60万円以下、全期末の取得価額の10%に該当すれば、修繕費の仕訳となります。すでに入居していて、傷や汚れのあるフローリングを修繕する目的でおこなわれた場合はこちらになります。
本的支出
法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち当該固定資産の価値を高め、又はその耐久性を増すこととなると認められる部分に対応する金額が資本的支出となるのであるから、例えば次に掲げるような金額は、原則として資本的支出に該当する。
(2) 用途変更のための模様替え等改造又は改装に直接要した費用の額
引用元:第8節 資本的支出と修繕費|国税庁
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/07/07_08.htm
新規で入居する際にフロアコーティングを施工した場合、またほかのリフォームを同時に施工して費用が60万円を超えた場合は、減価償却法(数年にわけて計上していく方法)を適応させて資本的支出の仕訳として計上します。
フローリングの耐久性や建物の価値をあげる目的でおこなわれた施工の場合は、こちらで計上します。また修繕費と資本的支出を組み合わせて計上していくパターンもあります。
計上する際の注意点
このように修繕費と資本的支出は非常に混同されやすく、わかりづらいものです。注意したいのは、修繕費はフロアコーティングにかかった経費を一括で計上できるということ。
事業の規模によっては節税となり有利に働く場合と、総収入が少なくなり経営不振とみなされ融資を受ける場合などに不利となってしまう場合があります。将来的なことも視野に入れ、有利に働く方法を選んでいくことが望まれます。
専門職の人に相談してみることも視野に入れて
経費計上で迷いが生じたら躊躇せず、公認会計士や税理士などの専門職の人に相談することをおすすめします。税務署や自治体では、無料の税務相談を設けているところもたくさんあります。
間違えて計上して大きな損失を出してからでは遅いので、不明慮な点はすぐに解決していくことが大切です。
まとめ
個人事業主は自宅を事業所としていることが多いため、フロアコーティングの目的が事故防止やアレルギー対策であったとしても、必要経費として計上することができます。メリットとなるのかデメリットとなるのか、判断に迷ったときは専門家の意見を求めましょう。